「個人」という錯覚を解く

悟りとは、あらゆる錯覚の消えた状態である。

十二縁起

十二縁起。十二因縁ともいう。

これは時系列の因果関係ではない。時系列で考えるとさっぱりわけのわからないものになってしまう。

これは縁起のドミノである。

老死は有るのでも無いのでもなく、縁に依って起こっているのである。

つまり、無明が晴れると、行、識、・・・、生、老死の全てが消えるのである。

消えるというか、元からなかったというか、錯覚が消えるようなものである。

しかし、その錯覚は輪廻転生を生み出すほどの強力な錯覚である。

お釈迦様は、「生けるもの」を認めることを「悪しき見解」とおっしゃっている。

つまりは生、老死が有るということが「悪しき見解」である。

十二縁起は「悪しき見解」を生み出す原因を考察したものである。